日本企業が海外展開を進めるとき、ブランドが「薄まる」現象が起きる。現地のエージェンシーが制作物を作るたびに、日本本社のブランドとズレが生じる。言語を変えただけで、何かが失われる。これは翻訳の問題ではない。ブランドアーキテクチャの設計の問題だ。
原因1: コアを言語化していない
多くの日本企業のブランドガイドラインは、ビジュアルルールの記述に終始している。しかし「なぜこのブランドが存在するのか」という問いへの答えがない。コアが言語化されていないブランドは、翻訳された瞬間に空洞になる。
原因2: アーキテクチャが単一市場向けに設計されている
日本市場で構築したブランドを、そのままアジア各市場に持ち込もうとする。しかし、市場ごとにブランドへの期待値が異なる。
原因3: 現地化の権限設計がない
「本社承認が必要」という制約が、現地の適切な対応を遅らせ、結果として現地チームが独自解釈で動き始める。